H25年 高取山のモリアオガエル

掲載日 2013年09月02日

8月のツキワ祭りカレー大会の報告の最後で、モリアオガエルの産卵の様子の写真を予告編的に紹介しましたが、今回はモリアオガエルの産卵から成長までの全過程を写真付きで紹介します。

記事の内容は、神戸ツキワ登山会の会員専用サイトで投稿された記事と写真をベースに構成しています。

高取山のモリアオガエルを 神戸ツキワ登山会の会員が見かけるようになったのは、10年程くらい前からです。

その当時は飛龍寺あたりにも生息していましたが、土砂の堆積の影響で水場がなくなり、今では荒熊神社や月見茶屋周辺でしか見られなくなっています。

8月の記事でも触れましたが、モリアオガエルは絶滅危惧種で天然記念物に指定している地域もあり、兵庫県では絶滅危惧拡大の恐れのある危惧種Ⅱ類に指定されています。

今年の梅雨時の6月15日の朝、空梅雨の後のにわか雨に遭ったツキワ会員が、大声ではなくケロケロ・ケロケロという聞き覚えのある モリアオガエルの合唱が始まったことに気付きました。

翌朝、期待と不安を抱えて高取山の菜園を訪れてみると、水槽の上の木の枝に白いボール状の卵塊を見つけました。(写真01a)

そして、水槽の上には、大きなモリアオガエルが・・・(写真01b)

 01a モリアオガエルの卵塊  01b水槽の上のモリアオガエル
( 01a モリアオガエルの卵塊 ) ( 01b 水槽上のモリアオガエル )

6月21日の朝には、月見茶屋の横の水槽の前に人だかりができていました。

芙蓉の木の枝に、大きなモリアオガエルが現れていたのです。(写真02a)
しかも、夫婦つがいで・・・(写真02b)

 02a月見茶屋横のモリアオガエル  02b モリアオガエル夫婦
( 02a月見茶屋横のモリアオガエル ) ( 02b モリアオガエル夫婦 )

そして、みんなの見ている前でオスがメスの背に乗ったまま産卵を始め、白い卵塊を泡立てました。

人が近づいてもカエルは逃げることなく、卵塊はボール状にだんだん大きくなっていきます。卵塊が大きくなるにつれて、卵塊の上のモリアオガエル夫婦が相対的に小さく見えます。(写真03a)

6月16日に見つけた菜園の卵塊の方は、残念ながら鳥の餌食になったようでした。

月見茶屋横の卵塊の方は、なんとか保護する必要があります。

モリアオガエルの産卵の時期、その廻りには沢山のアジサイが咲くようになります。(写真03b)

 03a産卵中のモリアオガエル  03b カレーの準備
( 03a 産卵中のモリアオガエル ) ( 03b アジサイ )

月見茶屋の横のモリアオガエルの卵塊は、鳥の餌食にならないようにネットで保護されました。(写真04a)

7月1日朝の6時40分頃に孵化が始まり、水槽の傍らのプラスチックの波板には親ガエルがへばり付いて見張っていました。

写真04aの左下のネット越しに親ガエルが写っています。写真04bは、その親ガエルをアップで写したものです。

 04a 孵化した卵塊  04b 卵塊を見守る親ガエル
( 04a 孵化した卵塊 ) ( 04b 卵塊を見守る親ガエル )

泡の中では、黒いオタマジャクシが動いています。(写真05a)
泡が重たくなって、泡の先から1~3匹が1m下の水槽の中に落ちていきます。(写真05b)
水槽には孵化したオタマジャクシが50匹以上はいそうです。

 05a 卵塊のオタマジャクシ  05b 落下するオタマジャクシ
( 05a 卵塊のオタマジャクシ ) ( 05b 落下するオタマジャクシ )

あくる日の7月2日、波板の裏からゲ~ロゲロと親ガエルの鳴き声が聞こえます。
昨日の赤ちゃんオタマジャクシは、水槽の中で大きくなって元気に泳いでいます。
オタマジャクシの大きさは、1cmくらいになっていました。(写真06a) (写真06b)

 06a 落下したオタマジャクシ  06b 落下したオタマジャクシ
( 06a 落下したオタマジャクシ ) ( 06b 落下したオタマジャクシ )

オタマジャクシが次々と落下していった後の卵塊は、抜け殻のようです。(写真07a)

水槽の中でおなかを見せて泳いでいた時のオタマジャクシは、口に白い餌のようなものを銜えていました。 前日は痛々しいほどの赤ちゃんオタマジャクシでしたが、成長は意外と早そうです。(写真07b)

 07a 卵塊の抜け殻  07b 泳ぐオタマジャクシ
( 07a 卵塊の抜け殻 ) ( 07b 泳ぐオタマジャクシ )

水槽の廻りにはサルビヤが咲き始め、ホタルブクロもたくさんの花を付け、紫や紅色のアジサイも咲き乱れていました。(写真08a) (写真08b)

そして、モリアオガエルの誕生を祝福しているかのように、まだ鶯の声も聞こえていました。

 08a アジサイの花  08b アジサイの花
( 08a アジサイの花 ) ( 08b アジサイの花 )

今年の梅雨明けは早く、7月半ばから雨の少ない猛暑の日が続きます。モリアオガエルの水槽の水の減少が心配です。水槽の水を補給したくても、水道水を使うわけにはいきません。モリアオガエルには、天然の雨水が必要です。

暑い日が続いても、高取山の昆虫たちは元気です。7月18日の下山時には、カマキリやアゲハ蝶、バッタなどを見かけました。(写真09a) (写真09b)

 09a アゲハ蝶  09b トノサマバッタ
( 09a アゲハ蝶 ) ( 09b トノサマバッタ )

8月4日のツキワ祭りカレー大会の日にも、モリアオガエルのオタマジャクシの観察は続きました。

オタマジャクシの棲家は、月見茶屋の前を通って高取神社に向かって登って行く通路の右手にあります。(写真10a)
芙蓉の木の下に水槽があり、水槽には水草が育っています。(写真10b)

オタマジャクシの棲家  10b モリアオガエルの水槽
( 10a オタマジャクシの棲家 ) ( 10b モリアオガエルの水槽 )

7月1日にモリアオガエルの孵化が始まってからツキワ祭りの日で35日目、オタマジャクシたちは元気に育っていました。。(写真11a) (写真11b)

7月半ばには尻尾が太くなっていましたが、8月4日にはついに足が出てきました。

オタマジャクシの歌では♪やが~て手が出る♪足が出る♪と歌いますが、足の方が先に出てきます。

 11a 後足が出たオタマ  11b 後足が出たオタマ
( 11a 後足が出たオタマ ) ( 11b 後足が出たオタマ )

それからわずか3日後、水槽の中のオタマジャクシには もう手が出てきました。(写真12a) (写真12b)

目玉も大きくなっています。黒っぽい色だったのが、少し茶色っぽい淡い色に変わってきています。しかし、水槽の上に這い上がって空気に触れると、また黒くなります。

 12a 前足も出たオタマ  12b 前足も出たオタマ
( 12a 前足も出たオタマ ) ( 12b 前足も出たオタマ )

8月15日の朝のオタマジャクシ、可愛い足の先には小さな吸盤がついていて、水槽のふちまで這い登っていきます。(写真13a)

水草の上に登っているのもいます。(写真13b)
水槽のふちまで這い登ったものは、外へ飛び出してしまっているのもいるようです。

 13a 吸盤を使うオタマ  13b 吸盤を使うオタマ
( 13a 吸盤を使うオタマ ) ( 13b 吸盤を使うオタマ )

一方、水槽の中には まだ手も足も生えていないのや 足だけ生えているものなど、色々な段階のオタマジャクシがたくさんいます。
手や足が生えてカエルの格好になっていても、よく見ると尻尾はオタマジャクシのままのものもいます。(写真14a)
水槽によじ登るものは、肺呼吸をしています。 (写真14b)

 14a 水槽で泳ぐオタマ  14b 水槽を登るオタマ
( 14a 水槽で泳ぐオタマ ) ( 14b 水槽を登るオタマ )

8月20日になると、オタマジャクシたちは 親のモリアオガエルに似た 立派なカエルに育っていました。(写真15a)
芙蓉の葉に登って座り込んだカエルは、綺麗な緑色をしています。(写真15b)

 15a カエルに成長  15b カエルに成長
( 15a カエルに成長 ) ( 15b カエルに成長 )

この時期、水槽の上ではピンクの芙蓉の花が咲き乱れています。(写真16a)
面白いことに、水槽の水面に落ちて赤っぽくなった芙蓉の花に登ったカエルは、花の色に染まったかのように変色して、見つかりにくくなります。(写真16b)

どちらのモリアオガエルも、見事な保護色です。

月見茶屋横の芙蓉  16b 保護色に変化したカエル
( 16a 月見茶屋横の芙蓉 ) ( 16b 保護色に変化したカエル )

水槽の横には、芙蓉の花とともに、黄色のカンナの花も咲いています。(写真17a) (写真17b)

17a月見茶屋横のカンナ  17b 月見茶屋横のカンナ
( 17a 月見茶屋横のカンナ ) ( 17b 月見茶屋横のカンナ )

成長して水槽の外に飛び出したカエルは、カンナの葉によじ登るのもいます。(写真18a)

そして、カンナの葉の先で、ジャンプの体勢をとるのもいます。(写真18b)

後足には水掻きが見えていますが、これが枝から枝へ飛び移るモリアオガエルの飛躍力を助けているそうです。

18a 旅立つカエル 18b 旅立つカエル
( 18a 旅立つカエル ) ( 18b 旅立つカエル )

オタマジャクシから立派に成長して、水槽を飛び出していったモリアオガエルたちは、どこへ旅立っていくのかは よく分かりません。

しかし、来年の梅雨時になると、高取山の月見茶屋の周辺でケロケロと泣き出して、また産卵にやってくるはずです。

絶滅危惧拡大の恐れのある希少な生き物なので、水槽などの子孫存続の環境を守り、高取山の大事な宝として保護していきたいものです。


カテゴリー: 未分類   パーマリンク

コメントは受け付けていません。